新たな難病医療提供体制
専門の医療機関、地域の医療機関、保健所、福祉関係機関などが協力し、連携して大阪難病医療ネットワーク事業を推進していくために、新たな難病医療提供体制の構築がはじまりました。難病医療提供体制の中心的な役割を担う医療機関として、大阪府は平成30年11月に「大阪府難病診療連携拠点病院」に12の病院、令和元年11月に「大阪府難病診療分野別拠点病院」に2病院を指定し、「大阪府難病医療協力病院」を順次指定しています。
全ての拠点病院の責任者などが参画する「大阪府難病診療連携拠点病院連絡会議」によって、体制整備のあり方、ネットワーク事業案の検討と決定、評価が行われます。またこれらの内容は、「大阪府難病医療推進会議」で報告され、事業評価と提言がなされます。
難病は、多くの診療分野におよぶため、拠点病院や協力病院にある専門診療科の特徴と得意分野を活かした支援ネットワークの整備や、対応困難な難病診療を支援するために国が整備する難病医療支援ネットワークとの連携も進めてまいります。
大阪難病医療ネットワーク事業は、「長期の療養を必要とする難病を、早期診断し、専門医療による適切な治療などの管理を継続し、地域の医療・ケアサービスによって療養環境を整え、日常の生活や学業・職業生活をできる限り安定化、継続すること」を主な視点として、支援活動を行ってまいります。ネットワーク事業の実施に当たっては、日々の相談や専門診療を通し、療養課題や支援ニーズを把握すると共に、在宅支援に関わっている医療・保健関係者と地域に特有な課題とニーズを共有し、これらに基づいた活動を進めてまいります。
難病は多様性・希少性のため、患者はもとより、医療従事者であっても、どの医療機関を受診すればよいか、どのような療養支援を行えばよいかなど分かりづらい課題があります。また、希少性難病の多くは遺伝性難病です。このような難病においても、拠点病院の診療科の専門性を生かし、遺伝診療専門職や患者会とも連携した支援を行ってまいります。
新たな難病医療提供体制の整備と大阪難病医療ネットワーク事業の推進にあたって、ご理解とご協力をお願いいたします。