大阪大学医学部附属病院IRUDの紹介

未診断疾患イニシアチブ(Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases: IRUD)事業は、日本全国の希少難病・未診断疾患の患者さんに対して、次世代シーケンサーなどを用いて、網羅的遺伝学的検査を実施し、診断、総合的な診療体制の構築、治療法の開発などを目指す研究事業です。当院は2015年の発足時よりIRUD拠点病院として参画しており、2018年度からはIRUD解析センターとしても稼動しています。

当院はIRUD診断委員会を組織しており、18診療科・部や外部の医師で構成されています。診断委員会は原則毎月開催され、診療科主治医がスライドをもとに症例提示を行い、鑑別が不足している場合には追加検査を提案し、IRUD登録症例としての妥当性を審議の上登録しています。解析結果の判定のために、原則患者さんとご両親の採血が必要です。現在はCOVID-19の影響に伴いオンラインも導入しています。解析結果については、主治医と連携しながら診断委員会でその妥当性を検討した上で、遺伝子診療部が全面的にサポートしながら、担当医より患者さんへ解析結果を開示しています。

診断の確定や、原因遺伝子を明確にすることは、未診断疾患患者さんにより適切な療養や管理を行い、治療法を届ける最初の一歩となり得ると考えています。

IRUD解析対象:

以下の1または2を満たし、6ヶ月以上にわたって持続し(乳幼児は除く*)、生活に支障のある症状があり、診断がついていない状態。
*乳幼児の場合は6ヶ月以上にわたって持続していない場合でも対象となる(生後6ヶ月未満でも対象となりうる)。

  1. 2つ以上の臓器にまたがり、一元的に説明できない他覚的所見を有すること
  2. なんらかの遺伝子異常が疑われる病状であること(血縁者、兄弟に同じような病状を認められる場合を含む)

IRUD解析対象の相談:

  • 既知疾患の可能性があっても一般臨床検査のみでは診断がつかず、遺伝子異常を疑う場合
  • 遺伝子パネル解析などの遺伝学的解析の実施が難しく診断に至らない場合

なども、IRUD登録の可否を事前検討させてただきます。外部からの症例も積極的に受け入れていますのでぜひご相談下さい。

大阪大学 IRUD体制

大阪大学医学部附属病院 IRUDホームページ

大阪大学医学部附属病院 IRUD相談窓口(遺伝子診療部内):
メール:irud@hp-gensel.med.osaka-u.ac.jp
電話:06-6879-6558

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